<2023年お天気総決算②>お天気トレンド大賞
この1年で気象業界を賑わせた言葉や、新たに登場した言葉を選出する「お天気トレンド大賞2023」を発表します!日本気象協会所属の気象予報士118名による協力のもと、上位5位までを選出しました。
気になるランキングは?
日本気象協会に所属する気象予報士118名にアンケートした結果、「お天気トレンド大賞」1位に選ばれたのは「記録的猛暑」でした。
TOP5や選んだ気象予報士のコメントなどを詳しく見ていきましょう。
1位「記録的猛暑」
2023年の日本の夏は(6月~8月)は、統計開始以来、最も高くなり、各地で暑さに関連した様々な記録が更新されました。
最高気温40℃以上の「酷暑日※」を福島県伊達市梁川・石川県小松市で観測したほか、群馬県桐生市では年間の猛暑日日数が全国最多の46日に上りました。東京都心でも年間の猛暑日日数が22日、真夏日日数が90日と過去最多を更新しています。
最「低」気温の高さも顕著で、8月9日から10日かけては、日本海側の地域を中心に一晩中気温が30℃を下回らない「超熱帯夜※」を複数の地点で観測しました。中でも新潟県糸魚川市では、8月10日朝の最低気温が32℃という、驚異的な暑さを記録しました。
■群馬県桐生市 35℃以上の猛暑日日数46日目 国内歴代最多更新
https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2023/09/19/25305.html
■新潟県などで超熱帯夜 10日朝にかけて気温が30℃を下回らず
https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2023/08/10/24656.html
※酷暑日と調熱帯夜 ~日本気象協会が選ぶ 暑さに関する新しい言葉~
https://tenki.jp/suppl/tenkijp_labo/2022/08/02/31275.html
<選考した気象予報士のコメント>
「東京都心の8月全日真夏日は観測史上初」
「8月下旬に札幌で30℃超えが続出」
「秋田などで月平均気温30℃到達や松江・境の2日連続日最低気温30℃以上も強烈だった」
2位「長すぎた残暑」
今年の暑さは、その長さも特徴的でした。
東京都心では7月6日から9月7日にかけて、過去最長となる64日間連続で最高気温30℃以上の真夏日を観測し、年間の真夏日日数は過去最多の90日間に上りました。また、11月に入っても夏日を観測する地点が続出し、東京都心では11月の最高気温を100年ぶりに更新する27.5℃を記録しました。
<選考した気象予報士のコメント>
「待てど暮らせど秋がやって来なかった印象」
「北海道でも暖かい日が続いた」
3位「世界的高温」
2023年の夏は日本だけでなく、世界的にも高温となりました。
アメリカのカリフォルニア州のデスバレーでは最高気温50℃超を記録したほか、7月の世界平均気温が過去最高を更新する際に、国連のグテーレス事務総長の「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」というコメントが話題になりました。
<選考した気象予報士のコメント>
「国連事務総長の"地球沸騰化時代"の言葉が印象的です」
「欧州でも熱波というニュースが印象的」
「世界各地で山火事が発生していた」
4位「11月の夏日」
いつまでたっても収まらない2023年の暑さは11月に入っても続き、5日には熊本市で30.0℃となり真夏日に、7日には東京都心で100年ぶりに11月の最高気温記録を塗り替える27.5℃を記録し、青森県や秋田県などの東北北部の地域でも11月としては異例ともいえる夏日を記録しました。
■熊本で30℃到達 11月の真夏日は離島以外で全国3例目
https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2023/11/05/25976.html
<選考した気象予報士のコメント>
「11月に東京都心で27.5℃はさすがに驚き」
「11月の夏日はそうそうあることではない」
5位「台風の少なさ」
平年であれば年間を通じて25個ほどの台風が発生しますが、2023年は12月1日時点で発生数が16個と、平年より少ないです。上陸した台風もわずか1個と、今年は平年に比べて台風の影響が少ない年になりました。
■今年は台風の発生数が少ない 台風の発生数が少ない年の意外な共通点とは?
https://tenki.jp/forecaster/r_fukutomi/2023/10/30/25890.html
<選考した気象予報士のコメント>
「例年より台風が少ないわりに祝日に台風接近が多かった気がする」
「残暑の話題が多く、そういえば…と思うほど台風が少なかった気がする」
「9月後半以降の台風が少ないのが印象的」
2023年お天気トレンド大賞 まとめ
天気に関する言葉の中には、複雑なものやあまり聞きなれない言葉もありますが、今回選出された言葉の中で皆さんの印象に残っていた言葉はありましたか?
天気に関する言葉を通じて、より多くの方に天気をもっと身近に感じていただければ幸いです。
<調査概要>
調査対象:日本気象協会所属の気象予報士118名
調査期間:2023年11月6日(月)~11月14日(火)